地球温暖化とホッキョクグマ生存の関係について考察します。
このサイトでは、地球温暖化とホッキョクグマにどんな関係があるの?ということについてちょっとだけ考察したいと思います。
第4次報告書(IPCC)では20世紀の100年間で地球全体の平均気温が約0.74℃上昇したと報告されています。
地球温暖化の影響は、特に、北極圏を直撃すると言われています。
北極圏やヒマラヤなどの高山地帯では、地球温暖化による気温上昇率が他の地域と比べて非常に高いそうです。顕著に地球温暖化の影響が現れやすい北極圏で言うと、地球全体の平均値の2倍、2℃以上も平均気温が上昇しているというのです。
北極と言えば海上を覆う氷をイメージしますが、地球温暖化による気温の上昇で、その氷の面積は年々減少しています。
特に夏の北極では、海上の氷面積が、ひと昔まえの1970年と比べて4分の3にまで減少しているというのです。
これは短期間のあいだに、気温上昇による氷の減少が相当程度進行している証拠です。
北極圏の夏は、現在2週間ほどですが、地球温暖化の主要因である二酸化炭素の濃度が増え続けてそれが2倍にもなれば、氷は60%も減少すると報告されています。
そして、一年を通して気温が高いと言うことは、冬の終わりが早く、また冬が訪れるのも遅くなることを意味します。
その結果、北極圏が氷で覆われる冬が年々短くなっていくというのです。
このように、北極圏の状況からみて地球の温暖化は確実に進行していると言えるでしょう。
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北極圏における温暖化の問題は、その地域に生息する生態系にまで影響を及ぼします。
野生生物の生態、またその変化を調査することで、北極圏の変化や地球温暖化の影響を知ることができます。WWFでは、その代表としてホッキョクグマを衛星で追跡調査しています。
最近、映画「アース」やテレビ番組などで特集されたので、もうすでにご存知かもしれませんが、「ホッキョクグマ」は、絶滅の危機さえあると報告されています。
ホッキョクグマはその名の通り北極圏にしか生息していません。北極圏に生息しているホッキョクグマは、現在2万頭から2万5千頭。でも、北極圏の温暖化の影響でホッキョクグマの数は、年々減少させていると報告されています。
国際自然連合(IUCN)が発表している、絶滅の危機にある野生生物リストである「レッドリスト」にホッキョクグマが掲載されています。
地球温暖化によって北極圏では海氷の厚さが約40%も減少したと報告されていますが、北極圏に生息するホッキョクグマにとって、氷が減るというのは、どんなことを意味するのでしょうか?
WWFの調査によると、ホッキョクグマが生息する最南端であるカナダ、ハドソン湾で、通常より海氷が解けるのが一週間早かったとすると、ホッキョクグマの体重は約10キロも減ってしまい、健康状態が悪化することが報告されています。
驚くことに、ホッキョクグマのメスは、北極圏の気温が1℃上昇するとその体重は22キロも減少してしまう例も報告されています。
ホッキョクグマの食糧源は氷の下に潜んでいるアザラシ。ホッキョクグマの習性として、春と秋に氷上で狩りを行うのですが、その氷が減少していることがこの狩りをすることを困難にさせているのです。
地球温暖化により北極圏の夏が長期化し、氷が溶けている期間が長くなっているからです。
調査の対象はホッキョクグマの母グマですが、その行動から連れている仔グマの状況も分かるそうです。
メスグマは、北極圏に冬が近づくと仔グマを産むために雪洞に巣ごもりします。
仔グマを産んだ後も、春の到来までの約100日間、何も食べずにその雪洞で過ごし、母乳を与えますが、それだけの栄養が母クマには必要です。
ホッキョクグマのメスが痩せてしまい、十分な栄養が備わっていないと、そのメスグマから産まれる仔グマにも影響が及ぶわけです。
調査によると、1980年から1992年にかけて、ハドソン湾で誕生した仔グマの生存率は半数以下の44%を示しています。
私たち、そして地球上に存在するすべての動植物において地球温暖化の問題は深刻なものであるとともに、その地球温暖化は、人類によって引き起こされた温室効果ガスが原因していることを忘れてはいけません。
人類が排出し続けている温室効果ガスによって地球温暖化が進行し、野生生物を絶滅させてしまう現実を重く受け止め、早急な温暖化の緩和策を実行することが必要です。人類には温暖化を緩和する責任があるのです。
「地球温暖化」の原因であるとされている「ガス」には様々な種類があります。
そのなかでも「二酸化炭素」は、最も地球温暖化への影響が大きいガスに当たります。
化石燃料の使用が産業革命以降増え続け、その結果、大気中に含まれる二酸化炭素量も増加してます。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、このまま地球温暖化が進むと約90年後の2100年には、平均気温が1.8℃〜4.0℃上昇すると発表しています。
地球温暖化に影響を与える温室効果ガスの排出量が最も少ない場合でも1.8℃、逆に最も多かった場合が4.0℃としているのです。
「地球温暖化」とは皆が耳にして、ゴミの分別や節電、再利用など様々な緩和策を行っていますが、では、あなたは地球温暖化のメカニズムを説明できるでしょうか。
現在、地球全体の平均気温は14℃前後です。
これは人類が生存する重要な数値ですが、もし大気中に二酸化炭素やメタン、水蒸気などの温室効果ガスが全く含まれていなければ平均気温は何度になると思いますか?
その数値は、マイナス19℃位とされています。
私たちに暖かい日差しを与えてくれる太陽の光は、地球の大気を素通りして地面を暖めてくれます。
それによって地表からは熱が放射されますが、その熱を温室効果ガスが吸収して、大気を暖めてくれているのです。
温室効果ガスが、人類に必要なガスであると言うことは分かって頂けたでしょうか。
しかし近年、活発化した産業活動により、二酸化炭素、メタン、フロンなどの温室効果ガスを大量に排出する様になりました。
大気中の温室効果ガスは、自然値より高濃度となり、熱の吸収量が増加しました。
その結果、気温の上昇につながり、地球が温暖化しているのです。
「地球温暖化」に対して、個人や企業などの民間レベルで緩和策が促進されていますが、緩和技術をより普及させるために、更なる積極的な投資、政策を行う必要性があると様々な報告書が指摘しています。
具体的には下記の様な政策が挙げられます。
■新技術の開発、普及
再生可能エネルギー、また新しいエネルギー源など新技術の開発資金を増額し、世界中に普及することが必要です。
■炭素プライシング
法律や条例を策定し、直接規制や削減義務を課す。(炭素税、国内排出証取引や排出権取引など)
■啓蒙活動
私たち民間へ更なる啓発活動を行う。
ひとりひとりが緩和策を進めることで大きな効果が得られます。
■国際協力
発展途上国に対する排出量削減支援という国際的な協力活動 が必要。
■エネルギーの供給
発電、発熱、動力などのエネルギー源の効率化改善、小規模で分散型のエネルギー源の導入、再生が可能なエネルギー源の普及などが有効。
■省エネルギー
電力、水、ガスなどエネルギー消費量が少ない製品や設備への更新、不必要なエネルギー消費量の削減、省資源など様々な緩和策が有効です。
■再利用
鉄鋼、プラスチックのリサイクルや廃棄物の熱利用、廃棄物発電など廃棄物のエネルギー有効活用が行われています。
■炭素の固定
植林、森林伐採の抑制や水資源の管理、二酸化炭素を吸収しやすい作物への変更など炭素吸収量を増加させる様々なものが有効であるとされています。
■高速増殖炉や核融合エネルギー、宇宙太陽光発電
対策が最も必要とされている10年〜30年の間での開発、導入は厳しいと予測されますが、これらの新技術への期待もされています。
■生活
私たち民間レベルでの活動も有効であり重要です。3R、4R、5R、節水、節電など行える緩和策は身の周りに沢山あります。
「地球温暖化」に対して人類は様々な政策や緩和策を施していますが、残念ながらその効果は温室効果ガスの発生量を抑制するまでには至らない状況にあります。
「地球温暖化」を抑制するためには、現在よりも何倍も何十倍も努力や投資、対策が必要です。
しかし幾つかその有効性が認められ、対策促進する傾向にもありますので、ひとりひとりが、国全体が、世界中が地道に対策を施すことが必要です。
そして根本的な対策である温室効果ガスの排出量を削減する緩和策の更なる開発が必要不可欠な課題となっているのです。